Chapter 4. エゾシカ実猟場・捕獲回収編 Strategy of Big games for Deer hunting.
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Chapter 4.
エゾシカ実猟場・捕獲回収編 Strategy of Big games for Deer hunting.
Chapter 4-1.
【エゾシカ猟場・実射作戦】
実猟場における射撃シーンを様々な角度から論じていきます。また猟場で使うには効果的な輸入装備品なども随時ご紹介していきます。
Introduction of several hunting scene of your activities or gun equipment imported from U.S.A...
猟銃での射撃時の姿勢、つまり「銃構え」は、使用弾の火薬量が多いほど射撃時の反動(リコイル)の大きさで体が後ろに反り返るくらいの衝撃を受けますが、あまりにその力が大きいため、射撃する場合の姿勢は屁っぴり腰 (bent back ,weak-kneed) 姿に、どうしてもなってしまうのですが、実はこの姿勢が、実猟場では最善の射撃姿勢ということがわかりました。
※屁っぴり腰=英語の表現としてはbent back weak-kneed が適訳のようです。
つまり、装薬弾による反動力は、屁っぴり腰あるいは前かがみ姿勢を取ると、反動力が体軸を通して地面に流すために効果的で、逆に真っ直ぐ棒立ち姿勢で射撃すると、大きな反動を受けケガの原因にもなります。そのため、スコープで顔面、眼窩(がんか=目の周りのくぼみ)を損傷したり、ボクシングで言えば顔面ストレートのような衝撃を顔面に受けるという、痛ましい事故にもつながるので注意が必要です。自分流の構えがある方はそれを優先します。
猟場でBGMがあれば、アメリカ映画MI・ミッション・インポッシブルのサントラ盤なんぞが重低音で聞こえてくると、さぞかし臨場感抜群というような場面もよくありますが、エゾシカ対戦は真剣勝負ですから、軽い射撃姿勢での事故や怪我の無いような配慮が改めて必要です。
さてここで、初速が秒速3,000fフィートで銃口から弾丸が発射された際の、そのライフル弾がどのような曲線を描くのかというお話をしますと。
日本語で直訳すれば「銃口から初速の秒速3.000フィートで発射された時の典型的な狩猟ライフル弾道軌跡」となります。これは、単純に言うとライフル弾の発射直後から、弾は緩やかな放物線を描いて飛び落下しますよ、という意味です。
ただし、この例はライフル弾の場合でありショットガンでは150.00(ヤード)時点あたりの軌道は現実的な数字ではありません。もっと下がります。そもそもエゾシカ猟に最適な銃種って何だろうかという素朴な疑問を投げかけられたことがありますが、実際はどうであるかと言えば回答は次のようになるかと思います。
遠射となれば、その回答はライフルには叶わないですが、現行銃刀法の観点からは散弾銃からの所持許可経過期間が10年以上が必要期間のため、それまでの対象は当然というか必然的にサボットスラグ弾専用のハーフライフル銃が最適な銃種となります。
ここで、北海道の猟場でエゾシカを発見した距離はどの程度か?ともよく聞かれますが、エゾシカの発見=自分からエゾシカの立つ地点までの距離は地域によりますが、現実的にはそれほど遠距離の遭遇ではありません。
北海道ではエゾシカとの出会いは、遠い場合は300m以上、あるいは近ければ10m前後のごく至近距離で遭遇する場合もあると言っても良いくらい、接遇チャンスはあります。次に聞かれる話題では、エゾシカ猟に最適な銃種はどれですか?との内容ですが、銃種の適合というのは使用するハンターの体格や姿勢などの個人差があるため、どの銃が最適ということは言えませんが、実猟向けには先ほどのとおり、サボットスラグ弾専用のハーフライフル銃下記3種類が販売されているため参考にすると良いと思います。
【銃種は3種類】
①スライド・アクション ②ボルト・アクション ③オート(自動) の三種類で、どちらも使用弾は共通してサボットスラグ弾と呼ばれる銅製弾丸の専用銃です。では、この三種のどれを選ぶのかになると、結論から言いうと購入者の好みです。
もうそれしかありません。…と言うと何やら漠然とした回答で全然説明になってないと怒られそうなので、それぞれのタイプの銃のしくみについては各々説明解説を書くよりも、地元銃砲店で直接問い合わせするのが一番早く確実な方法です。
一時、巷では2番目のボルトアクション式が命中率で一番優れていると古参のハンターや銃砲店主が言っていたとの話がありましたが、これはあえて高額な銃を買わせようという店側の思惑で、現に複数丁を所持使用しているハンターからも同様の感想を得たので、あえて次のような説明をさせていただくと、「商売は利益にならないより利益になった方が当然良いというのは資本主義社会での大原則」ということですね。
ちなみに現在、日本国内でのボルト式スラッグ銃はサベージ(Savage)社の12番口径だけ。
また過去には、ブローニング社のAボルト・12番がありましたが、国産ミロク製MSS-20と全く同型式で理由不明まま製造中止になってしまい、現在では中古のみの販売となっています。 私はアメリカ・Remington社製M870・12番スライドアクション式の新銃を購入しました。
ターハント社のスラッグ銃も入手は可能です。これは20番口径。マーリン・モデル1895という、なかなかお目にかかれない歴史ある“西部のガンマン”を彷彿させる有名メーカーのモデルもあります。これは、装弾をこめるマガジンと呼ばれる部分は箱型2発装填式(固定)のため着脱はできません。
た、口径について触れると、12番口径に比較すると装弾自体が細長い410番という口径銃もありますが、販売数が圧倒的に少ないためか使用する装弾需要も相対的に少なく、装弾購入までの入荷待ち状態も多いため、猟場に出掛ける時間的効率を鑑みると、あまりお勧めはできません。つまり結論から言うと銃本体販売数も装弾販売数も申し分ない12番口径銃をお勧めします。
私の使用銃は冒頭お知らせしたレミントンRemington社M870でサボットスラグ専用の12番口径はスライド・アクションタイプで、過去にはポンプ式もと呼ばれていました。
銃本体には合計スラッグ弾3発を入れておきます。というより、3発封入が日本国内法令での装弾に対しての銃本体への装填限度数となっています。仮に4発封入した、あるいは4発装填可能とみなされた銃は不法改造銃として、略称・銃刀法違反で検挙され、この時点で銃所持許可は即日取り消されます。
諸外国には装填個数限度は有りません。ちなみにロシア、アメリカではマガジンラック自体が体に巻きつけられたマシンガンも販売されており、300発、400発連射銃や1,000発自動小銃なども普通に街中のガンショップで購入できます。恐ろしいですよね…というか、合衆国憲法で保障された権利「自分の身は自分で守る」精神は支持します。
そもそも「スラグ弾」って何?これが次のテーマ。じっくりと見て下さいね。
Chapter 4-2.
【スラッグ弾って何】
この質問には慎重にお答えしますが、スラグまたはサボットと言うのも今や一般的ようですが、単発の散弾銃で撃てる、いわゆる散っていかない“一発弾”のことをスラッグ弾と言います。
スラグやサボットは所持許可上の分類は散弾の範囲で大きく分けて2種類あります。
それは、「ライフルド・スラッグ弾」と「サボット・スラッグ弾」に大別されます。ややこしいですね?
ライフルド・スラッグ弾は弾自体の直径が銃身とほぼ同径の鉛製の弾頭。サボット・スラッグ弾は銅製の弾頭。ちなみに北海道の条例施行によりエゾシカ猟で鉛スラッグ弾は使用も所持も“禁止”されていますので十分な注意が必要です。
サボット・スラッグ弾1発の価格は平均600~700円(税別)前後が一般的です。クレー射撃用7.5号の約20倍もしますので、決して安価でお買い得とは言えません。そのため、しっかりとした弾道や速度、エネルギー等を理解し、購入後のランニングコストを考慮し、賢い銃選びする必要があると考えます。サボット・スラッグ弾は、銃身直径より若干弾頭が細いため周りをプラスチック製のワッズと呼ばれる容器のようなもので囲まれて、ワッズと銃身との隙間を無くする構造になっています。
そのワッズは銃口から出た瞬間に弾頭から外れ、外れた弾頭だけが前方標的へ飛ぶようになっています。材質は銅=Copperの弾です。では、外れたワッズ容器はどこに行くかと言うと、単純にそこら辺に落下します(…笑)。つまり、宇宙ロケットが打上げに成功して大気圏に突入した際、下に付いてる打ち上げ用専用の燃料部分は用無しになるので、本体から切り離され落下します。
あの原理だと全く同じだと思って下さい。つまり、ワッズは、そこら辺に落ちますと言うことが、一番正しい表現になります。
ここで、ライフルド・スラッグ弾(鉛)は平筒銃身(シリンダーボア、又はスムーズボアと呼称)で使います。その射程距離は50m前後です。一方、サボットスラッグ弾(銅)は平筒銃身ではなく日本独自のハーフライフル銃身という「銃身内の半分がライフル状態」の銃身で使用することが一般的です。ただしこれは「逆も真なり」で、ライフルド・スラッグ弾(鉛)はハーフライフル仕様銃身で使用可能で、サボットスラッグ弾(銅)は平筒銃身でも使用可能です。やってみたので大丈夫です。
ただし命中精度は共にかなり落ちます。と同時に、場合によっては中古の替え銃身では破損する原因にもなるとの報告も受けているので止めた方が無難です。実はこのハーフライフル状態の銃身。世界の銃所持者や特に欧米人にはイマイチ理解し難いのです。私もそう思いました…。
本来生産時から銃口内にある内部螺旋の切り込み(=ライフリングという)の半分を、日本国内で、わざわざ手作業で日本の銃砲店が削り販売するというものですが、その有効射程は約100m以上となり命中精度もライフル並みに高いと言われるのが、その特徴です。
ここでややこしかった「逆も真なり」の説明になりますが、サボット・スラッグ弾を「平筒」銃身で射撃した場合には、内部に螺旋のライフリングが無いため、「横転弾」が若干発生します。そのため、例え50m前後でも弾頭に回転運動をかけることは不可能に近いのです。この理由としては、サボット・スラッグ弾は回転を付けることで安定した弾道を得ることを前提に開発されたため、ライフリング(螺旋溝)無しの、いわゆる平筒のシリンダーボアやスムーズボアの銃身では、弾頭への回転運動が掛けられないからです。つまり、結論から言うと、サボット・スラッグ弾はハーフライフル銃身が専用になります。
Chapter 4-3.
【 サボット・スラッグ弾の口径・番数 】
散弾銃の口径は12番、20番・・・と表し、この番数は1ポンド(=約450g=重さの単位)の鉛玉の直径を1とした場合、1/2ポンドが2番鉛球の直径、1/12が12番鉛球の直径というような表現になります。ただし410番の場合は例外として、単に直径が0.410インチから呼ばれています。
サボットスラッグ弾には12番(英語表記:12GA)と、20番(20GA)があり、12番=口径約18.5mm、20番=同 約16mm、410番=同 約10.8mmの3種類で、射撃・狩猟問わず12番が一般的に流通量が多く、価格も安価で購入できます。上記3種類以外の口径は需要と供給バランスからか、日本国内ではほとんど市販されていません。当然、口径の違う弾に相互の互換性は無いため、12番に20番弾頭は使えません。万一、無理やり装填して発砲した場合には、銃身破壊や機関部爆裂等、銃身のみならず、機関部本体から身体的にも大きな損害を被ることにもなり得るので止めた方が無難です。
【 サボット・スラッグ弾のエネルギー 】
12番の散弾銃(=ショットガン)口径は初速(Verocity)も発射エネルギーも最も大きく、20番は12番に比べてエネルギー減少率が約30%も減少します。また、サボットスラッグ弾はライフル弾に比較し空気抵抗が大きく、特に遠射時の弾速低下から来るパワー不足がそれなりに予測されます。
至近距離であれば、エネルギー的に問題無いですが、20番口径所持ハンター曰く、エゾシカまでの射撃距離が100mを超えると12番口径が圧倒的に有利だとのことです。
なお、有害駆除の経験上、サボット・スラッグ弾の最大到達距離は約700メートルとされていますが、有効射程距離は250~300メートル前後でも殺傷能力十分と思われ、現地の天候・風向きの状態にもよりますが、直線的で追い風だと、更にライフル並みの精度であることには間違いありません。ちなみに、射撃距離に湿度と気圧は全く無関係です。
ここで、やはり新銃にはかなわない?との意見もありますが、新銃は射撃回数にもよりますが、私の知る限りでは最低でも15年以上はメンテが全く不要という話を多く聞くため、それなりのメリットがあると思います。これはこれから銃購入を希望するハンター予備軍にとっては、大きな比較材料になると思います。結局、購入費のことを思うと、どちらを選ぶかは好みの問題ということになりますが、私の例だと、できれば12番口径の新銃購入をお勧めします。
20番口径は反動も少なく撃ち易い反面、大型のエゾシカを倒すだけのエネルギーも当然減少します。科学的な理由は別にしても、使用する装弾12番口径の装弾数は流通量からも全国的に量販されており、購入後のメンテを考えれば、やはり流通量が多い12番がメーカー・銃砲店への種々のお願いも効くことが確かなようですので12番をお勧めします。また中古銃は特に北海道の場合はエゾシカ溢れるくらい生息している地域に限って、厳冬期の外気温がマイナス20℃を下回る地域が多く、「機関部のスライドレバーが開かない」とか、「氷着いてレバーが開かない」、「安全装置が戻らない」…と悲しい独り言が、無線から何度も聞こえることも多々あります。
銃の作動不具合を見て発砲を躊躇している間にも、そのハンターのすぐ前を20頭前後のエゾシカの群れが走り去ったという笑えない話もあるほどですので、所詮、中古は中古でしかないと言うのがハンター同志や銃砲店主、あるいは警察の銃砲関係担当の意見で一致しています。そのため経年劣化や長年の部品消耗には逆らえないとの理由もあって、新銃にした方が使用中のストレスから解放されるメリットもあります。
Chapter 4-4.
【 接続する装備品 】
猟銃・エアライフルに接続する装備品について解説しています。
日本国内では猟銃所持は公安委員会の許可が必要で簡単には行きませんが、順序建てをしていけば所持条件をクリアーすることで申請後に所持はできます。
その銃に取り付けるための装備つまり、快適な狩猟や競技ライフを送るために必要な、特にスポーツ狩猟の先進国USAから直輸入した装備品の数々をガッツリ紹介していきたいと思います。日本国内では未発売の商品で盛りだくさんの内容となっております。
次回までご期待下さいマセ。
2021/10/05・追記)
※装備品については日本国内輸入関税品目の許可要否について経済産業省許可基準が都度変更になることもあるため、このブログを読んだ日現在においての入手許可条件を満たさない場合は輸入できませんのでご了承下さい。
Chapter 4-5.
【 スコープ&ドットサイト 】
いわゆる照準装置のスコープとドットサイトについて説明しますが、倍率、レンズ径など
の用語順に解説します。
① スコープの部位と名称を確認下さい.
エレベーション調節ノブ =上下調節をするためのダイヤル。
ウインデージ調節ノブ
= 左右調節をするためのダイヤル。
ディオプター = 焦点合わせをするためのダイヤル。
各個人で異なる視力に合わせてレティクルのピントをあわせるためのもので、普段メガネを掛けている人が、メガネを無くしても肉眼で焦点が合うように設計されている優れモノです。 パワーセレクター =ターゲットの拡大/縮小をするためのダイヤル。サイドフォーカス =ターゲットのピントを、レティクルと同じ位置に合わせるためのもの。高倍率スコープで必要なモノです。
接眼レンズ = 手前側、自分の「目」の側にあるレンズ。
対物レンズ = 銃口側(ターゲット側)にあるレンズ。
②倍率
対象ターゲットを、自分の目で見た時、どれだけ「大きく見せるのか」という意味です。 つまり、拡大も縮小もせず肉眼で見た時と同じ大きさが「1倍」です。そこから数字が増えればターゲットも大きく見えてくるというものです。
例えば、一般的な狩猟用スラッグ銃では3倍程度、遠射用のライフル使用でも、4~5倍あたりが使う機会が多く、それより大きな倍率のスコープは、特別に性能の良いライフルで狙撃を行う場合や、遠距離射撃の精密シューティング、いわゆる“国際競技”向けなどの限られた場合に威力を発揮します。
③レンズ径
対物レンズの直径の大きさを言います。つまり、銃口側のレンズの大きい方と言った方が分かりやすいでしょうか。直径が大きいほど、スコープを目で見た時の対象物の像の照度が明るい傾向があります。しかし、レンズ径があまりに大きくなると、銃への取付けの際に不具合が出ることが多く、倍率によっては、45mmぐらいが最大かと思います。
④「チューブ径」
スコープの中間部分の筒状の部分を“チューブ”と言います。マウント(取付けのこと)する時に、リング(正しくはマウントリング)で締め付ける部分の直径のことを指します。
1インチ(約2.54cm)径のスコープと、若干太い30mm径のスコープがあります。北米・中南米製は1インチ、ヨーロッパ製は30mmが一般的です。
チューブ径の太さは、スコープ自体の強さと、レティクル(スコープ内の中心点又は交点)の移動量の大きさの組み入れにメリットがあります。
⑤M.O.A. とは Minute of Angle の略。これは角度の単位を表し、通常はエム・オー・エーと読みます。 射撃の世界では、100 yards ( 91.44M先で)1 inch(25.4mm)、つまり100M換算では27.8mmとなる角度を1 M.O.A.として扱っていますので、50M先なら13.8mm(100M換算での27.8mmの2分の1となります)、また10M先では100M 2.78mm となります。
⑥アイ・リリーフ
地球から月や星の観測をするには天体望遠鏡をのぞきますが、望遠鏡と同じく、スコープという精密機器は、接眼レンズ(目の側)に目を着けず、目から少し離した状態にしてレンズをのぞきます。しかし、目からの距離が接眼レンズにあまりに近過ぎると、見える範囲が大幅に狭くなります。よって、望遠鏡やスコープをのぞく時の、のぞく目と接眼レンズとの適切な距離を「アイ・リリーフ」と呼んでいます。
⑦スコープの中にあるミルドット
(Mil Dot) とは何?
MIL(ミル)も先の1 M.O.A.と同じく、「角度の単位」を表しています。
射撃の世界では”1000M先で1Mになる角度”を1ミルと言います。また、ミルドット・レティクルと呼ばれるレティクルでは、中心部周辺に等間隔に並んだ丸い点「ミルドット」が描かれています。
ターゲットを最も拡大した時に(セレクター数字を最も大きな数字にした時)、ドットの間隔が1ミル=つまり1000M先の1Mになるように設定されています。
つまり、大きさある程度分かっているターゲットをスコープ内のミルドット・レティクルで見た時、ドットの数がいくつ分の大きさに見えるかによってターゲットまでの距離をあ
る程度まで予測することができるのです。
例えば、サボットハンター、ライフルハンター共に人気なのがアメリカのリューポルド
-Reupold社スコープ。
このリューポルド-Reupold社Mark-4-M1. 10 X 40のレティクルはミルドットを採用しており、本来は軍事用に開発され、実際は狩猟用としてライフルマンには高い人気があります。
倍率10倍時のミルドットは、400M前後のシカ狙いには問題なくその利点を生かして使えます。しかし、10倍の倍率だとミルドット部分の配置がレティクル全体の27%位となり狙点500M以上では、かなり標的が小さくなって、物足りなさを感じると言うハンターもいます。
ただ、実猟ではズームでも20倍の倍率が最大限度と思われ、同じMark-4-M1.の20 X 50が良いと考える方も多く、ズーム20倍のレティクルは全体の約55%がミルドットスケールで形成されてるためドットの間隔が単純計算で10倍の2倍になるので、通常10倍の間隔に慣れてしまうと、20倍のドット間隔はなんとなく間延びした感じになるのだそうです。
たしかに、倍率が高いからドットとドットの間にもう一つマークがあればもっと精密に狙える・・・と言うハンターもいるほど、スコープ一つにしても、奥の深い話といえばそれまでです。倍率が上がっても、レティクル全体の50%前後の範囲でミルドットが構成されているのが、感覚的な見易さの境界線と言う方が多いようです。
【 高性能・光学照準器「ドットサイト」の魅力とは 】
Lazer Dot Sight. (日本未発売品) まるで007かMissionInposssibleトムクルーズかってなもんで・・・スパイアクション映画そのものを彷彿とさせる外観。見る者を圧倒させてくれるこの製品。レーザー・ドットサイトといいます。
装備品というか、近年ハンターには必需品の意味合いが強くなって来ていますが、市販品は高値の華状態です。 我が国、貿易担当の国土交通省規定の貿易品目ジャンルは「光学精密品のその他の類」。
“その他”ってのがなんとも日本的ですが。
さすがに、銃社会米国が誇るれっきとした“軍用銃器付属品”のため、残念ながら現在、日本国内向けには輸入は禁輸品となっており、銃砲店経由での取り扱いも不可能になってしまいました。この製品は軍用機器メーカーとして名高い世界進出企業のTrugro社製。
ちなみに、このようなクラスの形式で、装備品関連業者の並行輸入した銃砲店での店頭販売価格は5~6万円(税別)前後のようです。
この「ドットサイト」、過去に“高額ドクター”サイトなどと揶揄され、誰がそんな高いモノ買うのかとイヤミで言われた時もあったほど、ツアイスのスコープより高い”高額商品”だったことは確かです。その歴史はまだ新しく、意外に実猟に使われている方も最近は多い聞きます。私が輸入した時の値段ですが、アメリカからの個人直輸入で関税・配送料オール込みで、約1万5千円弱だったハズです。現地価格はかなり安価です。
「レーザー・ドットサイト」・・初めてお聞きになった方、初めて聞く方々も多いのではと思います。本体重量はわずか200g程度の超軽量タイプで銃本体に載せている感覚はほとんどありません。電源はリチウム・コイン電池一枚だけ。
ミラーガラス・フードの銃床側・内側ポケットの中央部に、ドット(赤・緑色の発光体)が光る仕組みです。レーザーポイントの“赤ドット”。もう一方が “緑ドット”の小さいパターン。
光量切替えスイッチも感触良く、カチッ、カチッと指で切替えでき、赤・緑色の」2種類に発光換えが出来ます。また、それぞれ強・弱の各4段階切替えが可能なため、当日の天気ロケーションに応じて適応させることも可能です。“ドット”の形状も4種類に変えられ、ポツンとした“点”タイプから、標的ターゲット的紙のような3重丸タイプも有ります
ドットサイトは、このような明るい日中の乾いた太陽下でも、光の認識は想像を超える明るさで、何らストレスなく発射できるのには驚きです。
本体手前の下側をに付いているのが、高さ・左右調整ダイヤル。ドット位置は簡単に変えられますので、30m地点で狙点試射後、集弾確認合わせを行います。 有害駆除での実現場では30~40メートル程度が普通なため、命中精度は抜群です。
“出くわし即射”、つまり不意打ちのようなエゾシカとの思わぬ出合いがしらの遭遇での命中率は100%です。ただし、命中は100%ですが当りの部位が悪く、後ろ脚1本や胴体の腸付近などの場合は、ほとんどが逃げられてしまうので、全てが回収できたワケではありません。
なんとなく感触が伝わっていただけるかと思います。特に35m前後の至近距離エゾシカ・メスの「2頭重なりゲット」は一発必中でした。アドレナリン全開・満足・体感度200%!
わかりますよね?「2頭重なりゲット」の意味が・・。
1頭の影(裏側)に隠れるような形で少し小さめのエゾシカがいた場合は、ハンター側からはその全く姿が重なって見えず判別できません。射撃命中した直後に、アレっ2頭重なってたのか?と思う場面です。今まで数回ありましたが、偶然の産物であるにしても、北海道の狩猟フィールドではよくあることです。
ただしどんな光学(高額!?)製品でも難点有りで電池の消耗がかなり早いのです。
そのため、エゾシカを探している間は、スイッチはOFFにしています。
どんなモノでも一長一短、または“当り外れ”有りといえば、それまでですが、そんなリチウム・ボタン電池でも今の時代は“ダイソー”に行けば100円で同じ電池が2個入りで買えるとはイイ時代になったものです。文句無しでございますネ!
他の有害駆除メンバーからも個人輸入を依頼されましたが、一部の大手銃砲業者以外は輸入禁止品に該当するようになり、国の許可制に変わったようです。ということは、国内での入手は可能ということです。おそらく価格に転嫁されて相当高額になっているハズですが、こればかりは仕方ありません。 世界一安心・安全な国の方針ですからコレでイイのです。
まだまだは続きます。
Chapter 4-6. 【 パララックスって何? 】
これもよく聞く言葉ですね。スコープや光学機器の話をするとよく出てくるのが、この「パララックス」。これには、どうも二つの意味があるようで、それを混同したまま使用している書物もあって、内容が何ともゴチャゴチャのメチャクチャ状態でそのままになっている専門書もあります。
つまり一般的な例としては、スコープを覗いた時の、レンズから見えるその先の、一直線にず~っと先の点を結んだ直線(これを照準線というそうです)と、これに、銃本体の銃身(銃口の中央)から一直線に、同じくず~っと先の点を結んだ直線(これを銃身軸線というそうです)との、「高低差」のことなのだそうです。
ここで、この意味での”パララックスの大小”は、距離による着弾位置の上下変化に深く関わってきますので、仮にパララックスが大きい場合は、近距離で狙ったど真ん中に撃った場合、ホントにど真ん中に当たるように調節すると、スコープから覗いた線を基本にしているため、銃口本体は、この時点ですでに相当な上向き角度になっていますので、少し距離が離れた場合は、弾は狙った場所よりも、はるか上方向に着弾する弾道になります。
なお、高倍率スコープの場合、レティクルが投影される距離とターゲットまでの距離との若干の差が、レティクルがクリアに見えているにも関わらず、目標ターゲットが何だかボヤけて見えることがあります。今回はここまで。次回更新までお待ち下さい。
To be continued, Please refer next several chapter.
Chapter 1. エゾシカ狩猟の魅力 Hokkaido,Wonderful Deer-hunting field.
Chapter 3.= エゾシカ狩猟・実猟準備 Preparation of Big games for Deer hunting.
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